フィリピン フィエスタ(お祭)

1月のフィエスタ(お祭)

ディナギャン(Dinagyang) – イロイロ市

ディナギャンフェスティバルは、フィリピンのイロイロ市で毎年1月第4週の週末に開催される重要な祭りです。この祭りは、セブのサント・ニーニョ像の複製が1968年にイロイロ市に贈られたことと、先住民のアティ族との間の平和的な土地取引を祝うために行われます。

ディナギャンフェスティバルは、アティ族の伝統を称え、地元の若者がアティ族の姿を真似て黒く塗り、アティ族の衣装を身に着けて踊ることで知られています。この祭りは宗教的な要素と文化的な要素が融合したものであり、地元のストリートダンスやグループパフォーマンスが見どころの一つです。

ディナギャンフェスティバルは、フィリピンの他の祭りと同様に、観光客にとっても人気があります。特に土曜日の「カサジャハン・フェスティバル」や日曜日の「ディナギャン・フェスティバル」では、地元の部族やコミュニティが競技会形式で踊りやステージを披露し、派手で熱狂的な雰囲気が漂います。

ディナギャンフェスティバルは、フィリピンの観光イベントとして高い評価を受けており、「すべてのフェスティバルの女王」とも称されています。その歴史的な背景や文化的な意義、そして革新的なアプローチによって、フィリピン国内外から多くの注目を集めています。

シヌログ(Sinulog)セブ市

シヌログ祭りは、フィリピンのセブ島で始まった重要なお祭りです。ポルトガルの探検家フェルディナンド・マゼランが1521年にセブ島に到達し、キリスト教を伝えたことがその起源です。この祭りは、幼いイエスであるサントニーニョ像を讃える伝統的なイベントとして、セブのカトリック信者にとっては非常に重要です。

サントニーニョ像は、セブの人々にとって守り神のような存在であり、信仰の対象として崇められています。祭りの中心は、華やかな衣装を身に纏ったダンサーたちが、太鼓やトランペットのリズムに合わせて踊るパレードやストリートダンスです。このパフォーマンスは、観客を魅了し、楽しませます。

シヌログ祭りは、フィリピン最大の祭りの一つとされており、毎年数百万人もの来場者がセブに集まります。特に、グランドパレードは祭りのハイライトであり、華やかなパフォーマンスが行われます。地元の伝統とキリスト教の信仰が融合したこの祭りは、フィリピンの多様性と文化の交流を象徴しています。

ブラック・ナザレ
(Feast of the Black Nazarene)メトロマニラ

ブラック・ナザレ祭は、フィリピンのマニラで毎年開催される重要な宗教行事です。この祭りでは、黒いキリスト像であるブラック・ナザレを称え、信者たちはその像に触れることで奇跡の力を求めます。ブラック・ナザレは、キリスト教徒にとって特別な象徴であり、信仰の中心的な要素の一つとされています。

ブラック・ナザレの起源は、1600年代にメキシコからマニラに運ばれたとされています。船上での火災により、キリスト像が焦げて黒くなったという伝説があります。このブラック・ナザレ像は、病気を治す力や奇跡をもたらすと信じられており、多くのカトリック信者がその恩恵を求めて祭りに参加します。

毎年1月9日に行われるブラック・ナザレ祭では、キアポ教会から出発してリサール公園を経由し、マニラ市内をパレードします。信者たちは、黒いキリスト像を担いで進むパレードに参加し、その間に像に触れることで祝福を受けようとします。パレードは1日がかりで行われ、多くの人々が熱心に参加し、信仰心を示します。

アティ・アティハン – カリボ

ィリピンのアティ・アティハン祭りは、13世紀にボルネオ島から来た指揮官たちと原住民族のアティ族との間の土地取引を記念して始まりました。この祭りは毎年、パナイ島北部のカリボで開催され、特に1月の第三日曜日を中心に数日間にわたって繰り広げられます。

参加者はアティ族のように振舞い、肌を黒く塗って力強いダンスを披露します。彼らの衣装は華やかで綺麗であり、音楽やダンスを楽しみながら、自らの文化を称える場です。フィリピンの祭りの中でも最も古く、全国的に人気があります。

アティ・アティハン祭りの起源は、アティ族が山から下りて村人に食べ物を貰ってそのお礼にダンスや歌を披露したことにあります。この祭りはフィリピンの多様な文化や歴史を称える貴重なイベントであり、地元の人々や観光客にとって楽しい体験となるでしょう。

2月のフィエスタ(お祭)

パナグベンガ フラワーフェスティバル
(Panagbenga Flower Festival)バギオ

「Panagbenga(パナグベンガ)」は、フィリピンのバギオ地方で開催される花の祭りであり、「芽吹きの季節、開花の時」という意味を持つ地元の言葉です。バギオは高地に位置し、様々な種類の花が収穫できるため、この時期には花々が開花し、収穫祭として祝われます。

1990年のバギオ地震後、1995年に始まったこのフラワー・フェスティバルは、地震の復興を願う意味も込められています。毎年2月から3月にかけて開催され、地元の文化や伝統を祝うと同時に、観光客を魅了するイベントとなっています。

パレードでは、巨大なパレード車や民族衣装を身にまとった参加者が、バギオ市の中心街を花で彩りながら踊ります。セッションロードからバーナム公園に至る道路は、花で飾られた華麗なフロートや地元の伝統的なダンスで賑わいます。観光客や市民が押し寄せ、フェスティバルの期間中には数百万人以上の人々が訪れ、バギオ市は大渋滞と大混雑に見舞われます。

このフェスティバルは、バギオの文化と伝統を称え、古い世代から新しい世代へと伝承していくことを目指しています。そして、「Panagbenga」の名のもとに、花々が咲き誇るバギオの美しい季節を祝います。

3~4月のフィエスタ(お祭)

モリオネス・フェスティバルマリンデューク州

フィリピンのマリンドゥケ島で毎年開催される伝統的な祭りです。この祭りは、キリスト教の伝説に基づいており、特に聖週間に関連しています。

モリオネスの祭りは、盲目のローマ兵士であるロンギヌス(Longinus)の物語を記念するものです。伝説によれば、ロンギヌスはキリストの磔に関与し、その際にキリストの体から流れ落ちた血で目が見えるようになったとされています。この奇跡的な出来事が、彼のキリスト教への改宗につながったとされています。

モリオネスの祭りでは、この伝説を再現し、ローマ兵士に扮装した人々がパレードを行ったり、奇跡の再現劇が行われたりします。この祭りは、地域のキリスト教徒にとって重要な行事であり、信仰と伝統を称える機会として親しまれています。

5月のフィエスタ(お祭)

水牛(カラバオ) 祭り(Carabao Festival)

フィリピンのブラカン地方、プリラン、ヌエバ・エシハ、リサール地方のアンゴノで行われるカラバオ祭りは、フィリピンの農業における重要な伝統的イベントの一つです。この祭りでは、農業に欠かせないカラバオ(水牛)に感謝を捧げるために、多彩な儀式やパレードが行われます。

通常、カラバオ祭りは、カラバオを泥からきれいに洗い、花で飾り付け、聖水を浴びせるという儀式から始まります。その後、カラバオに乗ってレースをするなどの催しも行われ、地域の人々が感謝と祝福の意を示します。

ブラカン州やアンゴノでのカラバオ祭りは、毎年5月14日から15日にかけて行われ、地域の農業の守護聖人である聖イシドロに豊作を祈願するイベントとして位置付けられています。この祭りは、カラバオが農作業で不可欠な役割を果たしていることへの感謝と尊敬を示すとともに、地域コミュニティの結束を高める重要な機会となっています。

カラバオ祭りでは、着飾ったカラバオや美しい山車がパレードを行い、地域の祭りの雰囲気を盛り上げます。参加者たちは、カラバオを通じて自然との結びつきや労働の重要性を再確認し、農業に対する感謝の気持ちを表現します。

パヒヤス祭ケソン州ルクバン市

パヒヤス祭りは、フィリピンのケソン州ルクバンで毎年5月15日に開催される重要な祭りです。この祭りは、農業の守護聖人であるサン・イシドロ・デ・ラブラドールに感謝を捧げることを目的としています。

祭りの準備は、町の人々にとって非常に重要な行事であり、数週間前から準備が始まります。パヒヤス祭りでは、町の家々や通りが美しい装飾で飾られます。特に「キピン」と呼ばれる色鮮やかなライスペーパーで作られた装飾が特徴的です。これらの装飾は、農作物や野菜、果物などで飾られ、町全体が色とりどりの美しい景観に包まれます。

祭り当日には、華やかなパレードや伝統的な農業競技など、さまざまなイベントが行われます。地元の人々は伝統的な衣装を着用し、パレードに参加します。また、地元の食べ物や飲み物が提供され、観光客も地元の文化や料理を楽しむことができます。

パヒヤス祭りは、地元の人々にとっては収穫の喜びを分かち合う大切な機会であり、観光客にとってもフィリピンの豊かな文化を体験する絶好の機会です。

6月のフィエスタ(お祭)

レチョンパレード/パラダ・ナン・レチョン
(Lechon Parade /Parada ng Lechon)バタンガス州バラヤン

フィリピンのバラヤンで行われる「Parada ng Lechon」は、非常に興味深い祭りですね。この祭りでは、豚の丸焼きであるレチョンが、ドレスやアクセサリーを身に着けて街中をパレードするというユニークなイベントです。

このイベントは、バラヤンの聖人である洗礼者の聖ヨハネを祝うものであり、レチョンに対する敬意と祝福の意味が込められています。また、水かけ合戦などの楽しい活動も行われ、地域の人々が一堂に会して楽しむ様子が伺えます。

レチョンはフィリピンのお祝いの席には欠かせない料理であり、その準備やパレードに携わることは、地域社会にとっても大きな意味を持ちます。

このような伝統的な祭りや料理は、文化や歴史を伝える重要な要素です。

8月のフィエスタ(お祭)

カダヤワン・フェスティバルダバオ市

カダヤワン祭(Kadayawan Festival)は、フィリピンのダバオ市で毎年8月に開催される収穫祭です。この祭りは、ダバオの豊かな農産物や花々を祝い、来年の豊作を祈るために行われます。ダバオはフルーツや花の産地として有名であり、8月は収穫の時期に当たるため、この時期に祭りが開催されます。

カダヤワン祭は、フィリピンの中でも有名な祭りの1つであり、世界中から観光客が訪れます。祭りのハイライトは土曜日に行われるパレードで、野菜やフルーツ、美しい花々で飾られたフロートが街を練り歩きます。また、先住民族の伝統文化を紹介する山車もパレードに参加します。

さらに、カダヤワン祭では「Indak Indak sa Kadayawan」と呼ばれる伝統音楽に合わせたダンスや、「Pamulak sa Kadayawan」と呼ばれる山車のパレードなど、様々なイベントが開催されます。ダバオは多民族都市であり、この祭りは異なる民族が交流する貴重な機会でもあります。

カダヤワン祭は、ダバオ市の誇りであり、フィリピン文化の豊かさと多様性を称える重要なイベントの1つです。

10月のフィエスタ(お祭)

マスカラ(Masskara)バコロド

マスカラ祭りは、フィリピンのバコロド市で毎年10月に開催される最も有名なお祭りの一つです。この祭りは、バコロド市が「微笑みの都市」として知られるようになる以前から、1980年代に砂糖産業の不況に見舞われた際に、住民を奮い立たせるために始まりました。

その名前の由来である「mass」と「kara」は、それぞれ英語とスペイン語で、「たくさんの」や「顔」という意味を持ちます。この祭りは、困難な状況にある人々を元気付け、笑顔にすることを目的としています。

マスカラ祭りの特徴は、カラフルで華やかなマスクや衣装を身に着けた人々が、ストリートダンスや楽器の演奏を行いながらパレードを行うことです。フェスティバル期間中は、さまざまなイベントやコンテストが開催され、地元の文化や団結の精神が称えられます。

この祭りは、バコロド市の象徴としてだけでなく、フィリピン全体や世界中から多くの観光客を魅了する重要なイベントとなっています。その歴史と文化的意義から、マスカラ祭りはフィリピンの誇りであり、世界的にも注目されるお祭りの一つとなっています。

11月のフィエスタ(お祭)

ヒガンテス祭リサール州アンゴノ

ヒガンテス・フェスティバルは、フィリピンのリサール州アンゴノで毎年11月22日に開催される重要なお祭りです。この祭りは、農民の守護聖人である聖クレメンテ・デ・アンゴノを称えるために行われます。ヒガンテス・フェスティバルの特徴は、巨大な人形劇の祭典であり、そのハイライトは「ヒガンテス」と呼ばれる巨大な張りぼて人形が通りをパレードすることです。

この祭りの起源については諸説ありますが、一般的に知られている説では、スペイン統治時代のアンゴノにおいて、地主であるザカリアス・“タンカド”という暴君に対する抗議運動の一環として始まったとされています。農民たちはタンカドを模した巨人の人形を作り、これを使って抗議の意思を表現したとされています。タンカドは背が高く、「ヒガンテ」というあだ名で呼ばれていたことから、これらの人形も「ヒガンテス」と呼ばれるようになりました。

時間が経つにつれて、この祭りはアンゴノの地域社会に根付き、毎年の伝統行事として続いてきました。現在では、ヒガンテス・フェスティバルはフィリピン文化の重要な一部として認識され、観光客や地元住民が一堂に集まって祝う大きなイベントとなっています。

サーフィン・フェスティバル(Surfing Festival)

11月17日から19日にかけて、Urbiztondo、San Juan、La Unionで開催されるサーフィンイベントは、フィリピンのサーフィンコミュニティの中でも特に注目されています。この地域は、その素晴らしい波と美しい景色で知られており、国内外から多くのサーファーや観光客が訪れます。

サンファンの位置は、マニラから北へ約270km離れていますが、その距離を越える価値があります。11月は波のコンディションが最高になる時期であり、毎年この時期に大会が開催されます。Urbiztondoの波は、サーフィン愛好家にとって真の楽園と言えるでしょう。

このイベントでは、サーフィン競技だけでなく、地元の文化や料理、音楽なども楽しむことができます。参加者は、プロのサーファーから初心者まで、様々なレベルやバックグラウンドの人々で構成されています。

サンファンでのサーフィン大会は、フィリピンのサーフィンシーンの中心的なイベントの1つであり、サーフィン愛好家にとっては見逃せない機会です。

12月のフィエスタ(お祭)

サンフェルナンド・ジャイアント・ランタン・フェスティバル(Lantern Festival)

フィリピンのサンフェルナンドで毎年開催される「サンフェルナンド・ジャイアント・ランタン・フェスティバル」は、クリスマスの装飾として愛されるパロル(ランタン)を称える重要なイベントです。このフェスティバルは、パロルを通じてフィリピンのクリスマスの精神と文化を表現し、観光客や地元の人々にとって特別な時期となっています。

この祭りは、1930年代に始まり、地元の人々が作ったランタンを競い合い、アラヤット山を開発したマニュエル・ケソン大統領に感謝するために始まりました。巨大なランタンは、竹製またはスチール製のフレームにプラスチックやファイバーグラス、手作りの紙で装飾され、数千のライトとワイヤーで光を放ちます。

このフェスティバルは、国内外から多くの人々が訪れ、その装飾は年々華やかさを増しています。フィリピン国内で最大かつ最も華やかなクリスマスフェスティバルの一つとして、フィリピンのクリスマスシーズンを象徴するイベントとして知られています。

クリスマス・シーズン(Christmas Season)

フィリピンのクリスマスの祝祭は、その長さと熱狂的な盛り上がりで知られています。日本のクリスマスと比較すると、フィリピンではより宗教的な要素が強調されており、家族や共同体全体での祝祭が重要視されます。

12月16日から始まる「シモバン・ガビ(Simbang Gabi)」として知られる9日間のミサは、フィリピンのキリスト教徒にとって特に重要です。これはキリストの誕生を祝うための特別なミサで、多くの人々が家族や友人と一緒に教会に集まります。シモバン・ガビの後、伝統的な料理や祝祭が続き、クリスマスの雰囲気が高まります。

フィリピンのクリスマスは、また、家族や友人との絆を強化し、共同体全体での連帯を高める機会でもあります。家庭や街中は、イルミネーションやデコレーションで飾られ、カラフルで活気に満ちた雰囲気が漂います。

そして、クリスマス・イブの夜には、深夜まで続く「ノチ・ブエナ(Nochebuena)」と呼ばれる夕食が家族で楽しまれます。この夕食では、伝統的な料理や特別なお菓子が振る舞われ、家族が集まり、クリスマスの祝いを共にします。

フィリピンのクリスマスは、宗教的な儀式と家族の絆、そして共同体の団結を結びつける重要な時期であり、その独自の文化と伝統が詰まっています。