フィリピンのセブ島南部に位置するオスロブ(Oslob)は、世界的に有名な観光地であり、その最大の魅力はなんといってもジンベエザメウォッチングです。オスロブでは、世界最大の魚類であるジンベエザメと一緒に泳ぐという貴重な体験ができます。この海の巨人との感動的な出会いは、自然の力と美しさを感じる特別な瞬間で、ダイバーやシュノーケリング初心者を問わず、多くの人々がこの体験を求めてオスロブを訪れています。
この記事では、オスロブでのジンベエザメウォッチングの魅力や体験の流れ、注意点について詳しく紹介します。
オスロブとは?
オスロブは、セブ市から車で約3時間ほど南に位置する小さな沿岸の町です。フィリピンに数あるビーチリゾートの中でも、オスロブは特に自然の美しさと海洋生物の豊かさで知られています。オスロブは、20世紀後半まで観光地としての認知度は低かったものの、現在ではジンベエザメウォッチングの名所として、世界中の旅行者が訪れる人気の観光地となりました。
特に有名なのが、オスロブのタンアワン地区(Barangay Tan-awan)です。このエリアでは、年中通してジンベエザメが見られ、観光客はシュノーケリングやダイビングをしながら、ジンベエザメと一緒に泳ぐことができます。セブ市からのツアーや送迎サービスも豊富に提供されているため、アクセスも容易です。
ジンベエザメとは?
ジンベエザメ(Whale Shark)は、現存する最大の魚類で、体長は10〜12メートル、時にはそれ以上に達することもあります。名前に「サメ」と付いているものの、ジンベエザメは非常におとなしい性格を持ち、プランクトンや小魚を主な餌とするフィルターフィーダー(濾過摂食者)です。その優雅でゆっくりとした動きは、見る者に畏怖と感動を与えます。
ジンベエザメは世界中の熱帯・温帯地域に広く分布していますが、オスロブでは特に高い確率で彼らと出会うことができ、海中でその巨体と近づき合うという非常に特別な体験が可能です。
ジンベエザメウォッチングの魅力
オスロブでのジンベエザメウォッチングの最大の魅力は、間近で世界最大の魚と泳ぐという、他に類を見ない体験ができることです。ジンベエザメはその巨大な体とは裏腹に非常におとなしく、プランクトンを口にしながらゆっくりと泳いでいます。彼らのすぐそばをシュノーケリングしながら泳ぐと、その圧倒的な存在感に驚くでしょう。
シュノーケリングとダイビング
ジンベエザメとの触れ合いは、シュノーケリングやスキューバダイビングで楽しむことができます。オスロブの海は透明度が高く、波も穏やかなので、初心者でも安心してシュノーケリングが可能です。シュノーケリングでは、水面近くからジンベエザメの優雅な姿を観察することができ、スキューバダイビングではさらに深いところで彼らと泳ぐ特別な体験を味わえます。
早朝のウォッチング
ジンベエザメウォッチングのツアーは、通常早朝に行われます。ジンベエザメは朝早くに海面近くに姿を現すことが多く、最も高い確率で出会うためには、早朝のツアーに参加することをお勧めします。通常は午前6時から午前11時頃までがベストな時間帯とされており、ツアーに参加する観光客もその時間帯が最も多いです。
ジンベエザメウォッチングの体験の流れ
- オスロブ到着 多くの観光客は、セブ市内からのツアーに参加し、早朝にオスロブへ向かいます。ほとんどのツアーは午前3〜4時頃に出発し、オスロブには午前6時頃に到着します。
- ブリーフィングと登録 到着後、ジンベエザメウォッチングに参加する前に、必ずブリーフィングが行われます。このブリーフィングでは、ジンベエザメに近づく際の注意事項や環境保護に関するガイドラインが説明されます。ジンベエザメに触れないことや、日焼け止めなどの化学物質を使用しないことが強調されます。
- ウォッチング開始 小型ボートに乗り込み、ジンベエザメがよく現れる海域に向かいます。ジンベエザメは漁師たちが餌付けをしているため、比較的近くで見ることができ、ボートから海に飛び込むと、すぐに彼らと泳ぐことができます。
- シュノーケリングまたはダイビング ボートから海に入ると、ジンベエザメとのシュノーケリングやダイビングがスタートします。ジンベエザメは人に慣れているため、近づいても驚くことなく、ゆっくりと泳ぎ続けます。彼らの巨体がすぐそばを通り過ぎる感覚は、非常に迫力があります。
- ウォッチング終了 ジンベエザメウォッチングは通常30分から1時間程度で終了します。ツアー終了後は、オスロブの美しいビーチでリラックスしたり、近くの滝や洞窟を観光することもできます。
ジンベエザメウォッチングでの注意事項
ジンベエザメウォッチングは非常に人気のあるアクティビティですが、環境保護やジンベエザメへの影響に配慮することが重要です。以下のポイントに注意しましょう。
- ジンベエザメに触らない
ジンベエザメは繊細な生物です。直接触れることはストレスを与え、彼らの健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、絶対に触れないようにしましょう。 - 日焼け止めの使用を控える
化学物質を含む日焼け止めは、海洋環境に悪影響を与えるため、使用を避けるようにしましょう。必要であれば、環境に優しい日焼け止めを使用するか、ラッシュガードなどで日差しを防ぐことをお勧めします。 - 餌付けに対する理解
オスロブではジンベエザメが漁師によって餌付けされています。この行為には賛否両論があり、海洋生態系にどのような影響を与えるかについては議論が続いています。観光客としては、この行為が自然環境に与える影響を理解し、責任ある態度でツアーに参加することが求められます。
まとめ
オスロブでのジンベエザメウォッチングは、他では体験できない特別な瞬間を提供してくれるアクティビティです。世界最大の魚であるジンベエザメと一緒に泳ぐという貴重な体験は、自然の偉大さや海洋生物との共存の重要性を感じさせてくれます。シュノーケリングやダイビングの初心者でも気軽に参加できるため、セブ島を訪れた際にはぜひ体験してみてください。ただし、自然やジンベエザメに配慮した行動を心がけることが、持続可能な観光に繋がる大切なポイントです。